レキシノナカノテンノウリョウ

歴史のなかの天皇陵

高木博志 編

山田邦和 編

  • 体裁
    A5判・カラー口絵カラー4頁,本文頁336頁
  • 刊行年月
    2010年10月
  • ISBN
    978-4-7842-1514-0

日本図書館協会選定図書

内容

 天皇・皇族の墓である陵墓は、現在宮内庁の管理下にあり、一般の立ち入りが厳しく禁じられている。そのため、文化財としての陵墓の調査・研究は進んでいなかったが、近年になって、学界の要請をうけて神功皇后陵(五社神古墳)が研究者に限定公開され、仁徳天皇陵(大山古墳)が世界遺産暫定リストに登録されるなど、社会的にも大きな関心を集めている。
 各時代に陵墓がどうあり、社会のなかでどのように変遷してきたのか、考古・古代・中世・近世・近代における陵墓の歴史をやさしく説く。京都アスニーで行われた公開講演に加え、研究者・ジャーナリストによるコラムや、執筆者による座談会を収録。

目次

総論 古代・中世の陵墓問題(山田邦和・同志社女子大学教授)
総論 近世・近代の陵墓問題(高木博志・京都大学准教授)
天皇陵と古墳研究(菱田哲郎・京都府立大学教授)
奈良平安時代における天皇陵古墳――律令国家の陵墓認識――(北康宏・同志社大学准教授)
平安時代の天皇陵(山田邦和)
江戸時代の天皇陵――幕末期の陵墓修復と地域社会――(上田長生・大阪市史料調査会調査員)
天皇陵の近代(高木博志)
座談会 歴史のなかの天皇陵(上田長生・北康宏・高木博志・菱田哲郎・山田邦和)


■コラム■

「天皇陵」における前方後円墳の終焉(高橋照彦)
平安京・京都近郊の陵墓と古墳(山本雅和)
藤原氏の陵墓―葬法と寺院と―(堀裕)
仏塔に埋葬された上皇(上島享)
天皇の怨霊とその祭祀(山田雄司)
中世の天皇の死(河内将芳)
綏靖天皇陵前東側所在の石燈籠について(福尾正彦)
江戸時代の大仙陵(伝仁徳天皇陵)と周辺住民(鍛治宏介)
小中村清矩文書・門脇重綾文書の皇霊祭祀関係資料(武田秀章)
近代古墳保存行政と陵墓(尾谷雅比古)
宮内庁による陵墓管理の根拠(外池昇)
終戦直後の天皇陵問題―発掘是非の議論と日本考古学協会による立ち入り―(外池昇)
世界遺産と君主制・王領(桜井絢子)
百舌鳥・古市古墳群、世界遺産暫定リスト記載決定(今井邦彦)

 参考文献
 陵墓分布図
 陵墓一覧表
 索引

紹介媒体

  • 「中外日報」

    2010年10月23日

    読書週間特集

  • 「朝日新聞」(夕刊)

    2010年11月17日

    文化面

  • 「読売新聞」(朝刊)

    2010年11月25日

    (奈良版)

  • 「読売新聞」(朝刊)

    2010年11月30日

    (京都版)

  • 「京都新聞」(朝刊)

    2010年12月16日

    芦田恭彦

    文化面

  • 「京都民報」

    2011年2月27日

    後藤真

  • 「しんぶん赤旗」

    2011年3月6日

    本と話題

  • 『史学雑誌』第120編第7号

    2011年7月20日

    稲田奈津子

    新刊紹介

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