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戦国期権力佐竹氏の研究
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体裁A5判・304頁
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刊行年月2011年04月
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ISBN978-4-7842-1569-0
著者・編者略歴
ささき・みちろう…1966年静岡県生まれ.筑波大学大学院博士課程歴史・人類学研究科中退,博士(文学).大正大学文学部准教授.主要論文に「東国『惣無事』令の初令について」(『中世下野の権力と社会, 中世東国論③』 所収, 岩田書院, 2009年),「秋田県公文書館所蔵『古本佐竹系図』に関する一考察」(『中世武家系図の史料論』下巻所収, 高志書院, 2007年),「戦国期『境目』における領主層の動向」(『戦国史研究』50号所収,2005年)など.
内容
本書は、戦国期における常陸国佐竹氏の考察を通して、東国に存在した政治権力の特質を明らかにする。
従来進められてきた北条氏を中心とする東国諸権力研究に対して、北条氏と対立する勢力圏を形成し、その権力的性格を異にする佐竹氏をめぐる研究は、先行研究の所論の可否も含め、実証的な考察を行う余地が残されており、本書では室町期から戦国期にかけ、佐竹氏がどのような過程をへて権力形成を行ったのかという基礎的な課題をはじめ、一族衆や国衆等の活動、佐竹氏と地域社会との関わりやその地域編成について、佐竹氏が発給した「知行充行状」・秋田藩家蔵文書等の史料を通じて考察することで、従来捨象されがちであった戦国期の権力編成の姿を浮き彫りにする。
目次
第1章 戦国期権力佐竹氏の成立過程
第1節 佐竹義舜の太田城復帰と「佐竹の乱」
「佐竹の乱」の特質
明応の和議
義舜の太田復帰の意義
第2節 永正期における佐竹氏の下野出兵
永正期の佐竹氏をめぐる情勢
佐竹氏の下野出兵
那須地域の政治情勢
佐竹氏の依上保進出
常陸北部の有力国人の動向
常陸北部における佐竹氏の権力基盤の確立
第3節 佐竹氏の小田進出と越相同盟
上杉謙信の越山と永禄七年の小田城攻略
永禄十二年の小田攻略と越相同盟交渉
佐竹氏の小田支配と太田資正・梶原政景
第2章 佐竹氏の権力構造と三家の活動
第1節 佐竹氏の南奥支配と東家義久の活動
南奥進出の展開
義久による佐竹氏の南奥支配の展開
義久による「指南」
第2節 北家義斯の活動
義斯発給文書の編年化
義斯の活動
義斯の活動の位置
第3節 三家の政治的位置
三家の創出と研究史における佐竹三家の位置
三家による詫言の上申・下達
佐竹氏権力の構造と三家の位置
第3章 佐竹氏権力の地域編成
第1節 佐竹氏領国内編成の地域的偏差
佐竹義篤譲状と室町期の常陸北部
佐竹氏の充行状の発給状況とその分布
佐竹氏の充行状の形態
第2節 佐竹氏の陸奥南郷経営
佐竹氏による支配の確立
南郷(高野郡)の再編成
支配の進展
第3節 佐竹氏の南奥進出と船尾氏の存在形態
船尾氏の出自と佐竹氏
佐竹氏の南奥進出と船尾昭直
南奥の情勢と船尾氏の帰趨
佐竹氏南奥支配と船尾氏の存在形態
終章
参考文献
あとがき
初出一覧
索引(人名・事項)
図表一覧
紹介媒体
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「茨城新聞」
2011年11月13日
糸賀茂男(常磐大学教授)
読書(7面)
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『日本歴史』第768号
2012年5月1日
今泉徹(東京工業高等専門学校非常勤講師)
書評と紹介
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『日本史研究』601号
2012年9月
則竹雄一
新刊紹介
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『史学雑誌』第121編第11号
2012年11月20日
市村高男
書評