神仏習合の歴史と儀礼空間
定価
9,460 円(税込)
本体 8,600円
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神仏習合の歴史と儀礼空間

嵯峨井建 著

  • 体裁
    A5判上製・428頁
  • 刊行年月
    2013年02月
  • ISBN
    978-4-7842-1671-0 C3021

著者・編者略歴

さがい たつる・・・1948年,石川県生.國學院大學神道学専攻科修了.神道学博士(國學院大學).賀茂御祖神社禰宜,京都大学非常勤講師,京都國學院講師.
主要著書に『日吉大社と山王権現』(人文書院,1992年)『満州の神社興亡史』(芙蓉書房出版,1998年)など.

内容

日本宗教史の基本位置にある神道と仏教との関わりを、祭祀・法会の空間である神社・寺院の儀礼空間を視点に論じ、神仏習合の実態を明らかにする。神宮寺における神祇奉斎、寺院附属の鎮守社、仏教儀礼である神前読経、神職系図に基づいた神道周縁の仏法との関わり、神仏への天皇行幸、中近世をつうじた京都における神仏習合など、豊富な事例とともに神仏習合の諸形態を丹念にまとめた実証研究。

目次

序 章
習合研究と本書の視座/本書の概要


第一章 神仏習合と儀礼空間

第一節 神仏習合の基本形態
第二節 社寺行幸と天皇の儀礼空間
 賀茂行幸/行幸と御幸の相違点/古代の寺院行幸/中世最後の神社行幸
第三節 神宮寺の神祇奉斎―神仏習合の源流を求めて
 多度神宮寺の「神御像」/松尾神宮寺の旧神像/熱田神宮寺の神像図と神祇/日吉神宮寺の「影向山王」/石清水・護国寺の「大菩薩御体」
第四節 仏教空間における神祇
 東大寺における神祇関係/神護寺における神祇奉斎/長谷寺の神祇奉斎/天台の神祇奉斎と神祇勧請


第二章 神前読経と経典

第一節 大般若経の伝播と神仏習合
日本における大般若経の受容/神祇と大般若経/神祇法楽経としての大般若経/神祇と大般若経
第二節 中世における神前読経の場
伊勢神宮における神前読経/賀茂社の神前読経/春日社の神前読経/日吉社の神前読経
第三節 一宮・惣社における仏事と大般若経
一宮・惣社における仏事/一宮・惣社と大般若経/惣社の経蔵


第三章 神職系図の研究

第一節 伊勢神宮の神主系図
 仏教の接近/出家神主の出現/受容の諸相/天照大神と本地仏
第二節 『津守氏古系図』の研究
 『津守氏古系図』の諸本とその検討/津守氏の出家者/出家神主の出現/退下後の出家神主/輩出する僧尼たち
第三節 上賀茂神社系図の研究
 『賀茂社家系図』と『社務補任記』の史料批判/聖神寺の建立/習合の深化と展開/「入道神主」の出現と堂塔の建立
第四節 若狭彦神社社務系図の研究
 習合の実態/神主の出家―十二代景継にみる/光景とその周辺
第五節 宇佐八幡宮の神主系図
 奈良時代の宇佐宮/宇佐宮の系図史料/宇佐宮の仏教/平安時代の仏教受容者/像造と結縁者たち/仏事法会の始修/鎌倉時代の出家者たちと帰依者


第四章 洛中洛外の神仏習合

第一節 鴨社の神仏習合
 賀茂神宮寺成立の背景/岡本堂をめぐって/神宮寺の成立と発展/近世の神仏習合/神宮寺の終焉
第二節 祇園社の成立と観慶寺
 祇園社の当初形態/「神殿」と「堂」の並存/祇園社(観慶寺)の天台化/観慶寺の性格と位置
第三節 天龍寺の鎮守社霊庇廟について
 発掘調査による所見/霊庇廟創建とその周辺/後醍醐天皇・夢窓国師・足利尊氏と霊庇廟


終 章

史料編 神仏習合年表・大般若経年表


後記
索引(人名/社寺名・地名/事項)

紹介媒体

  • 「神社新報」

    2013年7月8日

    津田勉(山口県護国神社禰宜)

    新刊紹介 

  • 『神道フォーラム』vol.47

    2013年9月1日

    新刊紹介

  • 『宗教研究』88巻1輯

    2014年6月

    蓑輪顕量

    書評と紹介

  • 『仏教史学研究』56巻2号

    2014年3月

    有働智奘(国学院大学兼任講師)

    書評

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