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大徳寺伝来五百羅漢図

奈良国立博物館・東京文化財研究所 編

  • 体裁
    B4判上製・312頁
  • 刊行年月
    2014年06月
  • ISBN
    978-4-7842-1743-4 C3071

カバーに少々汚れ有

内容

 中国・南宋時代の寧波周辺の地において、淳熙5年(1178)からほぼ10年をかけ、林庭珪・周季常という絵師により全100幅が制作され、うち82幅が大徳寺に伝来する「五百羅漢図」。卓抜した画技と豊かな彩色を誇る中国・南宋時代の仏教絵画を代表する名品として知られる。また画中に金泥で記された銘文の存在によって、かつて寧波所在の寺院に伝来したこと、さらには画家・施入者の名前が判明する点でも極めて貴重である。
 奈良国立博物館と東京文化財研究所との共同研究の調査報告書を大幅に増補改訂し、論文・参考資料を追加・加筆のうえ、図版をより大きくし、高精細カラー印刷にて公刊する。


■特色■

◎ボストン美術館とフリーア美術館(ともに米国)に所蔵される12幅・江戸時代の補作(6幅)も含めた、現存する全100幅を大型図版で紹介。

◎一点一点に画題と解説を付す。

◎部分拡大図(40点)・絹目画像(170点)も高精細カラー図版で収録。

◎最新技術・機器による今回の調査から、新たに存在が多数確認された銘文画像(48点)を翻刻とともに掲載。

◎最前線の研究者による論文8本を収録。

◎伝来史料・年表・関連図版など資料も充実。

◎美術史研究はもとより、東アジアの文化史・宗教史を考えていく上で大きな役割を果たす大著。

目次

大徳寺五百羅漢図
 カラー全図
 カラー部分図
 銘文画像
   銘文インデックス
 絹目画像
   画絹について 原 瑛莉子(奈良国立博物館)
 関連作品 知恩院所蔵五百羅漢図・円覚寺所蔵五百羅漢図
 

各論
「大徳寺伝来五百羅漢図」共同研究の概要  谷口 耕生(奈良国立博物館)
「大徳寺伝来五百羅漢図」銘文の可視画像化について  城野 誠治(東京文化財研究所)
 日本大徳寺伝来五百羅漢図銘文と南宋明州士人社会  近藤 一成(早稲田大学教授)
 大徳寺伝来五百羅漢図の成立背景(承前)  井手 誠之輔(九州大学教授)
   関連年表
 林庭珪と周季常、二人の画家とその傾向について  北澤 菜月(奈良国立博物館)
 木村徳応筆五百羅漢図―失われた大徳寺本六幅をめぐって  谷口 耕生
   伝来史料
 大徳寺五百羅漢図―その世界的な評価  ユキオ・リピット(ハーバード大学教授)


資料
 大徳寺伝来五百羅漢図 一覧表
 銘文 一覧表
 参考文献


共同研究的概要
A Summary of Collaborative Research on the Daitokuji 500 Luohans
中文目次・TABLE OF CONTENTS

紹介媒体

  • 「中外日報」

    2014年8月22日

    西谷 功(泉涌寺宝物館学芸員)

    書評

  • 「佛教タイムス」

    2014年10月23日

    紹介

  • 『美術フォーラム21』vol.31

    2015年5月30日

    大原嘉豊

    書評

  • 『史学雑誌』125編11号

    2016年11月20日

    新刊紹介

関連書籍

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