日本音楽史学の中核的拠点、上野学園大学日本音楽史研究所創設以来40年にわたる研究の蓄積と成果を踏まえた叢刊。同分野の研究に必須の史料を厳選。史学・美術・文学研究にも新たな史料を提供する。
舞絵〔舞楽散楽図〕
陽明文庫蔵本は美術史にいまだ知られぬ優品。唐代舞楽・散楽の白描画。原本は唐代に成立し、日本に将来されたと推定される。陽明文庫蔵本が現存諸本中の祖本。
揩鼓(かいこ)
康治2年(1144)墨銘の法隆寺旧蔵揩鼓は、世界唯一の伝存楽器。西域より中国を経て日本に将来された。指でこすって音を出す特殊な奏法で知られる。
■担当編集者より■
音楽史は、歴史学のなかでも謎や空白の多い分野だと思います。
それは、音や音楽が文献として残りにくいことと、関係があるのでしょう。
本書で取り上げられる〔舞楽散楽図〕(陽明文庫蔵「舞絵」)と楽器の揩鼓は、いずれも、音楽史料のもつダイナミックさ・ロマン・謎を感じさせる史料です。
とりわけ〔舞楽散楽図〕のいきいきとした人物描写は一つ一つがおもしろく、一度見ると忘れられません。
定価
2,970 円(税込)
本体 2,700円
在庫状況:
品切
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陽明文庫蔵 舞絵〔舞楽散楽図〕・法隆寺旧蔵 揩鼓
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本体 2,700円
在庫状況:
品切
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体裁A4判上製横綴・256頁
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刊行年月2016年04月
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ISBN978-4-7842-1804-2
内容
目次
【図版篇】(カラー)
陽明文庫蔵 舞絵〔舞楽散楽図〕
【論考篇】
『舞楽散楽図』(福島和夫)
第一章 陽明文庫蔵本書誌および内容・構成
第二章 本体四部分および錯簡について
第三章 後世付加部分
第四章 諸本
第五章 研究史
第六章 成立
『舞楽散楽図』伝存諸本目録
『舞楽散楽図』諸本系統図
(図版)周文矩筆『唐代宮妓合楽図』シカゴ美術館蔵/『墨絵弾弓』正倉院蔵
日本中世の図譜的な舞楽図―〔舞楽散楽図〕と宗達屏風の狭間―(藤原重雄)
一 図譜的な絵巻
二 相互の関係と後世への影響
三 舞楽の屏風・障子
収載曲一覧
(図版)『舞楽図譜』林家所蔵/『舞楽図巻(応永舞楽図)』サンフランシスコ・アジア美術館蔵/『舞楽図巻(舞楽図粉本)』東京国立博物館蔵/『舞楽図屏風下絵』(右幅)小田原文化財団蔵・(左幅)名古屋市博物館蔵/『舞楽図(北野社根本障子)』北野天満宮蔵
法隆寺旧蔵 「揩鼓」 ―西域伝来の楽器揩鼓に関する総合的研究―(福島和夫)
第一章 西域および中国における揩鼓とその史料
第二章 日本における揩鼓とその史料
第三章 康治三年法隆寺五師勝賢墨銘 揩鼓
第四章 音楽史における揩鼓
(図版)揩鼓 上野学園大学日本音楽史研究所蔵/敦煌莫高窟壁画/来迎図等
図版一覧
謝辞
英文 目次・要旨(訳 スティーヴン・G・ネルソン)
中文 要旨・論考『舞楽散楽図』/法隆寺旧蔵 揩鼓(訳 劉瀟雅)
関連リンク
紹介媒体
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『日本歴史』822号
2016年11月
新刊寸描