日本と欧州、ユーラシアの東西に遺された古文書の比較研究から、発給者の意思形成にかかわる儀礼や象徴の在り方はどのように読み解けるのか。
それぞれの国の研究者が集い、古代・中世における皇帝・国王文書から社会構造の変容をあとづけることを試みた国際シンポジウムの成果論集。彼我の古文書学の様々な限定性や観点を知ることで、支配や行政の手段といった基本的問題への新たな議論を提起する。
巻頭16頁におよぶカラー口絵には、日本・ドイツ・フランスに伝存する貴重な古文書を掲載した。
【担当編集者より】
ひとくちに「古文書」といっても、その性格によって、そして国によって様式は千差万別です。
現代の私たちからすれば一見奇妙なかたちのモノグラムや印璽も、当時の人々にとっては君主の権威を感じさせるものであったとか。
そういったことの読みとれる貴重な文書写真も巻頭口絵として収録していますので(写真を手に入れるまでの苦労については、本書「あとがき」もご参照ください)、ぜひ本文と対照させながら、ご覧ください。
定価
8,800 円(税込)
本体 8,000円
在庫状況:
残部僅少
関連書籍
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儀礼・象徴・意思決定
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定価
8,800 円(税込)
本体 8,000円
在庫状況:
残部僅少
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体裁A5判上製・272頁
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刊行年月2021年01月
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ISBN978-4-7842-1991-9
内容
目次
本書の成り立ち(小口雅史)
第Ⅰ部 文書の機能と場
日本古代の文書と口頭伝達―政務処理と通知(下命)の両面における―(坂上康俊)
カロリング期における文書発給者と受領者(マーク・メルジオヴスキ/翻訳 津田拓郎)
中世の天皇文書と儀礼(高橋一樹)
ペトルス・デ・ヴィネアの名を冠した手本集成―13世紀の文書雛形集と中世後期の国家理念にとっての意義―(カール・ボルヒャルト/翻訳 井上周平)
第Ⅱ部 文書テクストへのまなざし
オットー朝期の君主文書における発給者と受領者の関係(ヴォルフガング・フシュナー/翻訳 津田拓郎)
日本古代における私信の系譜とその展開(小口雅史)
天皇の署名文書と花押について(河内祥輔)
オットー朝・ザーリアー朝の君主文書における図像的象徴(イルムガルト・フェース/翻訳 津田拓郎)
第Ⅲ部 国際シンポジウム「儀礼・象徴・意思決定」をめぐって
二つの「中世」における「ウルクンデ/シャルト」vs「文書」―その概念的対置およびシンボル形式的比較によせて―(マルクス・リュッターマン)
古代・中世文書資料の日欧比較(岡崎敦)
[コメント]古文書学の視覚化(佐藤雄基)
[コメント]文書の文化史への提言(アニャ・タラー/翻訳 津田拓郎)
[コメント]「儀礼・象徴・意思決定」の比較史に向けて(加納修)
あとがき(小口雅史)
索引
執筆者・翻訳者紹介
紹介媒体
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『国際日本学』19巻(法政大学国際日本学研究所)
2022年2月10日
市 大樹・大貫俊夫
書評