人類が社会的な営みのなかで生み出してきた文書量は膨大である。アーカイブズは人類共有の知的遺産であり、その保存・公開を支えるアーカイブズ学はまさに諸学のための基礎学といえる。本書はとくに重要となるアーカイブズ群の構造的な理解(構造認識)とその表示(編成記述)について、第一編で研究動向や理論的な整理をし、第二・三編で近世・近代の多様な文書群をとりあげ実践的な議論を展開する。国文学研究資料館で行われた共同研究の成果。(初版2014年)
関連書籍
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アーカイブズの構造認識と編成記述【オンデマンド版】
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体裁A5判並製・402頁
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刊行年月2017年10月
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ISBN978-4-7842-7034-7
内容
目次
序 論 本書刊行のねらい 大友一雄(国文学研究資料館)
第一編 アーカイブズの編成記述―理論と動向
アーカイブズ機関における編成記述の動向と課題
―都道府県文書館の目録と検索システムの状況から
太田富康(埼玉県立文書館)
アーカイブズの内的秩序構成理論と構造分析の課題
柴田知彰(秋田県公文書館)
アーカイブズ編成・記述の原則再考
―シリーズ・システムの理解から
森本祥子(東京大学総合研究博物館)
第二編 アーカイブズの構造認識と編成記述論
日本近世・近代在地記録史料群の階層構造分析方法について
渡辺浩一(国文学研究資料館)
商家文書の史料群構造分析
―松代八田家文書を事例に
西村慎太郎(国文学研究資料館)
名主家文書における文書認識と目録編成
―分散管理と情報共有の視点から
工藤航平(東京都公文書館)
近現代個人文書の特性と編成記述
―可変的なシリーズ設定のあり方
加藤聖文(国文学研究資料館)
組織体の機能構造とアーカイブズ編成
―大学アーカイブズを中心に
清水善仁(神奈川県立公文書館)
第三編 近世の記録管理とアーカイブズ
転封にみる領知支配と記録
―編成記述のための歴史学的アプローチの可能性
大友一雄
近世の商家と記録管理 西向宏介(広島県立文書館)
萩藩士家における「御判物・御証文」の保存と管理
山﨑一郎(山口県文書館)
近世石清水八幡宮の神人文書と文書認識
―分散管理と情報共有の視点から
東 昇(京都府立大学文学部)
近世アーカイブズの紙質調査と組織体の料紙
青木 睦(国文学研究資料館)
あとがき
執筆者紹介