なかじま・しんぺい
1981年大阪府生。2010年大阪市立大学大学院文学研究科後期博士課程単位取得退学、現在は大阪市立大学大学院文学研究科都市文化研究センター研究員、博士(文学)。
定価
11,550 円（税込）
本体 10,500円
在庫状況：
在庫あり
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戦前期海軍のＰＲ活動と世論
定価
11,550 円（税込）
本体 10,500円
在庫状況：
在庫あり
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体裁A5判上製・464頁
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刊行年月2021年02月
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ISBN978-4-7842-1999-5
著者・編者略歴
内容
戦前期の日本海軍は、民衆・社会と良好な関係を構築するために、さまざまなPR活動を展開していた。そこには、民衆とのコミュニケーションを通じて有効なPR方法について模索し、試行錯誤を繰り返しながらつくり上げていく軍隊の姿があった。日露戦争後から第一次世界大戦、ワシントン体制という政治・社会状況の変化の中で、日本海軍はどのようなPR活動を行っていたのか。
本書は、日本海軍にまつわる公文書や新聞報道を手掛かりに、これまで宣伝という枠組みで論じられてきた日本の軍隊によるコミュニケーション活動を、PR（Public Relations）の視点から分析し、現代の日本社会における社会と軍事組織とのあり方について一石を投じる試みである。
【担当編集者より】
戦前期において毎年5月27に行われていた「海軍記念日講和」や、当時人気が高かったという「軍艦への便乗・見学」について初めて具体的に分析し、海軍と社会との関係性について社会学の観点から明らかにする研究です。巻末の200頁近い「海軍記念日講話一覧表」は圧巻です。
目次
序章
第1節 問題の所在
第2節 先行研究
第3節 本研究の課題と目的
第Ⅰ部 近代日本における軍隊とPR
第一章 「PR」の視点からみる近代日本の軍隊と民衆・社会
第1節 「宣伝―広報(PR)―広告」概念
第2節 軍隊によるPR活動の黎明期―徴兵令の布告から日露戦争期まで―
第3節 総力戦体制下におけるPR―満州事変からアジア・太平洋戦争期まで―
第4節 軍隊と民衆とのコミュニケーションをPR概念から論じる意義
第二章 日本海軍のPR活動を分析する―PRのマネジメント・プロセスモデルと海軍記念日講話―
第1節 分析モデル
第2節 分析対象
第3節 近代日本における海軍のPR活動の位置づけ
第4節 分析の方法
第Ⅱ部 海軍におけるPR活動の萌芽と民衆―日露戦争～第一次世界大戦―
第三章 日露戦争後の海軍と民衆
第1節 講話開始前の海軍記念日（1906～1909年）
第2節 海軍記念日講話の開始
第3節 海軍記念日講話にみる日露戦後の海軍と民衆
第四章 第一次世界大戦前後における海軍のPR活動
第1節 PR活動としての海軍記念日講話
第2節 第一次世界大戦前後の記念日講話の特徴
第3節 講話の内容
第4節 PR化する海軍記念日講話
第五章 第一次世界大戦前後における海軍と世論
第1節 海軍によるPR活動の萌芽
第2節 PRの場としての海軍記念日講話の開始
第3節 PRの場としての記念日講話の課題 第4節 有効なPR活動の模索
第5節 「軍縮時代」を前にした海軍のPR活動と世論
第Ⅲ部 海軍におけるPR活動の積極化と世論―軍縮問題―
第六章 軍縮をめぐる言説空間
第1節 軍縮世論とマス・メディア
第2節 海軍軍縮問題と地域社会―『京都日出新聞』を事例に―
第3節 1921年前半における『京都日出新聞』の軍縮論
第4節 ワシントン会議と『京都日出新聞』―軍縮問題と太平洋・極東問題―
第5節 ワシントン体制に対する評価
第6節 錯綜する軍縮世論
第七章 軍縮期における海軍のPR活動
第1節 軍縮会議をめぐる海軍と世論
第2節 海軍記念日講話の拡大
第3節 軍縮期の講話内容
第4節 軍縮期における海軍によるPRの構築と活用
第八章 軍縮期における海軍と世論
第1節 海軍軍事普及委員会の設置
第2節 軍縮期における多角的なPR活動の模索
第3節 ワシントン体制をめぐる「世論」
第4節 海軍記念日講話からみる軍縮期の海軍と世論
第九章 戦前期の「軍艦便乗」にみる海軍のPR活動と民衆
第1節 ｢軍艦便乗｣というPR活動
第2節 軍艦便乗に関する規程
第3節 PR活動としての軍艦便乗の始まり
第4節 軍艦便乗の拡大―民間団体との協働―
第5節 軍艦便乗にみる海軍と民衆
終章
第1節 戦前期における海軍のPR活動と世論
第2節 本書の成果と今後の課題
参考文献一覧
海軍記念日講話一覧表(1918-1924)
あとがき／索引
紹介媒体
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「京都新聞」朝刊 文化面
2021年3月31日
著者取材
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『日本歴史』2022年3月号（第886号）
2022年3月1日
木村聡
-
『メディア史研究』第53号
2023年2月28日
藤田俊
書評
