著者・編者略歴

(ささき・とおる・・・1961年東京生まれ.東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了.博士(学術).専攻は歴史学・哲学.『佐々木六角氏の系譜――系譜学の試み』(単著),『経済史・経営史研究の現状』(共著),『戦国大名閨閥事典』(共著),「天文期六角氏の系譜の研究」(『戦国史研究』30号)ほか.

内容

 歴史学の進展は常識を疑うことからはじまる――。これまで、作為や錯誤が多いことから歴史資料として正当な評価を受けてこなかった系図について、作為や錯誤を隠喩ととらえるという斬新な手法で、資料としての可能性を示す。
 さらに、系図に作為や錯誤が生み出された背景まで探求し、常識にとらわれず資料を読むことで、室町・戦国期における佐々木六角氏の果たした役割の大きさを明らかにする。
 前著『佐々木六角氏の系譜』で確立した著者独自の視点から、佐々木六角氏を縦軸として室町・戦国期の諸勢力の動向を論じる。挿入系図多数。

目次

はじめに

序論 歴史学方法論

1章 沢田源内と佐々木氏郷

2章 六角義実の研究
  1 六角四郎
  2 義久という人物
  3 義久の出家
  4 義久の贈官
  5 系譜伝承における錯誤と史実

3章 六角義秀の研究
  1 『お湯殿の上の日記』と六角亀寿
  2 元服後の六角亀寿
  3 義秀に関する文書
  4 江州殿と信長の上洛
  5 元亀争乱
  6 足利義昭政権と元亀争乱

4章 六角義堯の研究
  1 六角義堯と近江武士
  2 武田勝頼と六角義堯
  3 上杉謙信と六角義堯
  4 毛利氏と六角義堯
  5 六角義堯の軍事行動

5章 六角義郷の研究
  1 六角義郷の母織田氏
  2 六角義郷と武衛義康
  3 豊臣秀次の与力大名左衛門督殿

おわりに――歴史哲学へとつづく終章

参考文献/佐々木系図/あとがき/索引

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