俳句とジャポニスム
定価
6,380 円(税込)
本体 5,800円
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俳句とジャポニスム

メキシコ詩人タブラーダの場合

太田靖子 著

  • 体裁
    A5判・324頁・カラー口絵4頁
  • 刊行年月
    2008年08月
  • ISBN
    978-4-7842-1404-4

著者・編者略歴

(おおた・せいこ)・・・京都外国語大学大学院修士課程終了。学術博士。京都外国語大学・同志社大学・龍谷大学講師。主要業績 共訳:Buson,Yosa,Seleccion de Jaikus,Hiperion,Madrid,1992.『ロルカと二七年世代の詩人たち』(土曜美術社,2007年)論文:「オクタビオ・パスの詩における俳句の影響」「オクタビオ・パスの『レンガ』を読む」「ダブラーダの日本紀行集『日の国にて』を読む」など。

内容

日本から遠く離れた国メキシコに、90年前にスペイン語でハイクを書いていた詩人がいた。彼の名はホセ・フアン・タブラーダ。彼がいかにして日本の俳句を知り、ハイクを創作するに至ったかを明らかにし、日本の俳句の本質へ如何に接近したかについて、その評価を試みる。俳句をスペイン語圏に広めた第一人者でありながらも、いまだに研究の乏しいタブラーダのハイク作品に光を当てる一書。

目次

序章

第1章 タブラーダの資質と俳句との関係
  1 タブラーダの生涯
  2 タブラーダの代表的な詩作品
      近代主義
      前衛主義 
      メキシコ趣味
  3 俳句との出会い
  4 東洋や日本への興味と憧憬
  5 自然に向ける眼差しと感受性
      昆虫への興味
      来日中に書かれたエッセイから
      『日記』と回想録から
  6 芸術の鑑賞眼
  7 タブラーダの俳句的世界―俳句への前段階―

第2章 日本趣味の詩―『ある一日…』―以前
  1 来日前の日本趣味の詩
  2 来日中に書かれた日本趣味の詩
  3 日本の和歌のスペイン語訳
      一首目
      二首目
      三首目
      四首目
      五首目
      六首目
  4 「北斎の詩」

第3章 スペイン語初のハイク集『ある一日…』
  1 『ある一日・・・』の序章をめぐって
  2 『ある一日・・・』誕生の経緯
  3 ハイクのタイトルについて
  4 “Poema sintético”という呼称
  5 日本の俳句の影響
  6 タブラーダの作句方―自然に直に触れて作る
  7 タブラーダ・ハイクの視覚性
  8 タブラーダの〈新しみ〉―「蟇」と「白鳥」のハイク
  9 〈凝縮詩〉
  10 〈体験された詩〉
  11 アニミズム的なものに近づくタブラーダ

第4章 タブラーダ第二ハイク集『花壺』
  1 序文“Hokku”(発句)をめぐって
  2 “Disociación lírica”という呼称
  3 日本の俳句の影響
  4 見立てのハイク
  5 視覚性の高いハイク
  6 タブラーダ・ハイクと絵との関係
  7 〈叙情的な切り取り〉の実践
  8 『花壺』以降
  9 タブラーダと同時代の欧米の俳句観とタブラーダ・ハイ    ク
  10 季語について
  11 オクダビオ・パスの俳句観とタブラーダ・ハイクの評価
      パスの俳句観
      タブラーダ・ハイクの評価
      パスの詩「ホセ・ファン・タブラーダ」
  12 俳句形式の行き詰まり

第5章 タブラーダ以後―ハイクとスペイン語圏の詩人たち
  1 タブラーダ・ハイクの影響を受けたメキシコの詩人たち
      カルロス・グティエレス・クルス
      ラファエル・ロサーノ
      ホセ・ルベン・ロメロ
      フランシスコ・モンテルデ・ガルシア・イカスバルセタ
  2 オクダビオ・パス
  3 タブラーダと同時代のフランス・ハイカイ

終章 タブラーダ・ハイクの特徴と意義
  1 タブラーダ・ハイクはなぜ生まれたのか
      外的要因
      内的要因
  2 タブラーダ・ハイクの特徴と意義
      特徴
      意義


付録 ハイク集二作品『ある一日・・・』『花壺』
年譜
あとがき
参考文献
人名索引

紹介媒体

  • 奈良新聞

    2008年10月5日

    片倉充造

    読書面

  • 日本経済新聞

    2008年10月27日

    文化面

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