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関連書籍
キョウトノトシキョウドウタイトケンリョク
京都の都市共同体と権力
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体裁A5判・332頁
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刊行年月2010年05月
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ISBN978-4-7842-1518-8
著者・編者略歴
にき ひろし…1962年大阪府生。1990年、京都大学大学院文学研究科博士後期課程修了。現在、大阪市立大学大学院文学研究科教授。
主要著作:『都市-前近代都市論の射程-』(編著、青木書店、2002年)、『戦国時代、村と町のかたち』(山川出版社、2004年)、『京都 乙訓・西岡の戦国時代と物集女城』(共編著、文理閣、2005年)、『難波宮から大坂へ』(共編著、和泉書院、2006年)、『守護所と戦国城下町』(共編著、高志書院、2006年)、『信長の城下町』(共編著、高志書院、2008年)、『岸和田古城から城下町へ-中世・近世の岸和田-』(共編著、和泉書院 、2008年)。
内容
中世京都の都市構造モデルを前提に、その変容のなかから町(ちょう)の成立を読み解く。自力救済社会における武家と都市民の対峙が、やがて公儀を創出し、都市共同体を確立させることを明らかにする。中近世移行期における自治、共同体、権力の葛藤を正面から見すえ、都市の本質を具体的、理論的に分析した一書。
目次
序 論 中世都市研究と京都
自由都市から「町」へ
中近世移行期京都研究の視角
一九九〇年代以降の京都研究
第Ⅰ部 室町・戦国時代の都市社会
第一章 中世後期の都市構造
戦国時代の都市空間
都市領主の支配と保護
幕府市政権と都市領主・武士
第二章 自力救済社会と都市の「平和」
「喧嘩」「打入」と「非分狼藉」
幕府権力と「非分狼藉」
補論一 人的ネットワークの展開
都市社会の中の禁裏・公家衆
寺院と都市民・共同体
都市における武家の存在形態
洛中と洛外
第Ⅱ部 都市共同体と公儀
第三章 都市共同体の確立と展開
中世的都市支配の弛緩
初期の「町人」と町
町共同体の原理
惣町と町
都市共同体と都市社会
第四章 都市共同体の発展と室町幕府
幕府の法令と都市民
都市共同体の保護と支配への利用
第五章 三好・織田政権の都市支配論理
三好政権による都市共同体支配の進展
織田政権の支配強化
第六章 豊臣政権の「政道」と都市共同体
法令の展開と特質
非分狼藉と「政道」
洛中支配の論理と都市共同体
補論二 惣町・町組の形成過程をめぐって
「年頭御拝札参府濫觴之扣」の再検討
町連合の形成と町組の確立
上京・下京単位の社会集団から惣町へ
第Ⅲ部 「首都」としての京都
第七章 都市構造の変容
天下統一と「首都」京都
中世的都市支配の否定
都市の改造と「演出」
第八章 都市の惣構と「御土居」
中近世移行期の都市論と惣構
「自治都市」の惣構
東国・西国城下町と惣構
戦国期畿内の城下町
「石山合戦」と大坂包囲網
結 語 京都研究と中近世移行論
近世京都の成立と都市共同体
京都研究の潮流と本書の成果
批判に応えて
一六世紀における日本の都市と社会の変容
都市京都研究の課題
参考文献/史料集
引用史料(群)の出典
図表一覧
あとがき
索引(人名/地名・寺社名/事項名/史料(群)名/研究者名)
紹介媒体
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『地方史研究』351(第61巻第3号)
2011年6月1日
馬部隆弘
新刊紹介
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『ヒストリア』第225号
2011年4月
桜井英治
書評