中世京都の都市と宗教【オンデマンド版】
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7,480 円(税込)
本体 6,800円
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中世京都の都市と宗教【オンデマンド版】

河内将芳 著

  • 体裁
    A5判並製・424頁
  • 刊行年月
    2016年03月
  • ISBN
    978-4-7842-7006-4

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著者・編者略歴

かわうち・まさよし…1963年大阪府生.1987年京都府立大学文学部卒業.1999年京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了、京都大学博士(人間・環境学).現在、奈良大学文学部教授.
主要著書……『中世京都の民衆と社会』(思文閣出版、2000年).『中世京都の都市と宗教』(思文閣出版、2006年).『祇園祭と戦国京都』(角川叢書、2007年).『秀吉の大仏造立』(法藏館、2008年).『信長が見た戦国京都』(洋泉社歴史新書、2010年) (2012年6月時点)

内容

これまで「町衆」の祭礼としてイメージされてきた中世の祇園会(祇園祭)や、「町衆」の信仰とされてきた法華信仰・法華宗など、都市社会と宗教・信仰との関係について、山門延暦寺に関する研究成果や中近世移行期統一権力の宗教政策論に即してとらえ直すことにより、その実態をあらためて問い直す。オンデマンド版(初版2006年)

目次

序─本書の構成─

  
第一部 室町・戦国期
     
第一章 室町期祇園会に関する一考察
 はじめに
 一 神輿渡御と山鉾巡行
  (1)神輿渡御停止と山鉾
  (2)祇園会馬上役と神輿・山鉾
 二 転換点としての文安期
  (1)延引と追行
  (2)文安六年
  (3)神輿の山鉾と連動化・一体化
  (4)延引と追行の頻発
 おわりに

第二章 戦国期祇園会に関する基礎的考察
 はじめに
 一 前提としての室町期の概況
  (1)神輿と神人
  (2)山鉾と神人
 二 明応九年の再興
  (1)再興への道程
  (2)再興後の祇園会
 三 戦国期の実態
  (1)山鉾と馬上役
  (2)山鉾と「諸町」
 四 画期としての天文期
  (1)山鉾と個別町
  (2)個別町と「出銭」
 おわりに

第三章 戦国期祇園会の神輿渡御について
 はじめに
 一 用途からみた応仁・文明の乱直前の神輿渡御
  (1)大政所御旅所・少将井御旅所
  (2)馬上役下行の内容
 二 戦国期における神輿渡御の実態
  (1)再興
  (2)永正元年を中心に
  (3)少将井駒頭をめぐる相論
  (4)初期洛中洛外図に描かれた神輿渡御
 おわりに

第四章 戦国期祇園会と室町幕府─「見物」をめぐって─
 はじめに
 一 応仁・文明の乱と祇園会再興
  (1)明応九年の再興をめぐって
  (2)祇園会と細川政元
 二 細川政元死後の幕府と祇園会
  (1)永正期をめぐって
  (2)大永二年、足利義晴の祇園会「見物」
  (3)天文期をめぐって
 おわりに

第五章 戦国期祇園会の再興と『祇園会山鉾事』
 はじめに
 一 『祇園会山鉾事』について
  (1)『祇園会山鉾事』と『祇園社記』
  (2)異同について
 二 『祇園会山鉾事』の内容検討
  (1)神輿渡御と神幸路
  (2)「ほくの次第」
  (3)「祇園會山ほくの次第」
  (4)「祇園會山鉾次第以鬮定之」
  (5)「明應九六十四」
  (6)奥書
 三 『祇園会山鉾事』成立の背景
  (1)永禄三年をめぐって
  (2)永正四年をめぐって
 おわりに

第六章 山門延暦寺からみた天文法華の乱
 はじめに
 一 天文法華の乱への過程
  (1)山門大衆の動向
  (2)諸宗寺院への要請
 二 末寺化をめぐる相克
  (1)緒法華宗寺院の跡地
  (2)末寺化の要求
 おわりに

第七章 都市共同体と人的結合─法華一揆と祇園会をめぐって─
 はじめに─問題の所在─
  (1)町自治重視への疑問
  (2)共同体と都市自治
 一 都市共同体としての「衆会之衆」
  (1)法華一揆と都市自治
  (2)信仰・宗教と都市共同体
 二 戦国期祇園会と地縁的結合
  (1)祇園会と山門大衆
  (2)人的結合と中世宗教
 おわりに
  (1)地縁的結合と家屋敷所有
  (2)都市共同体と空間・領域

  第二部 織豊期

第一章 山門延暦寺焼討再考序説
 はじめに
 一 元亀争乱と山門延暦寺
  (1)元亀争乱と宇佐山城
  (2)「坂本合戦」と山門延暦寺
  (3)山越えの通路をめぐって
 二 元亀争乱と山門焼討
  (1)山門領の押領
  (2)宇佐山城と今道越をめぐる攻防
 おわりに

第二章 安土宗論再見─信長と京都法華宗寺院─
 はじめに
  (1)信長と宗教勢力
  (2)信長と元亀争乱
 一 安土宗論への伏線
  (1)第一の伏線
  (2)第二の伏線
 二 安土宗論と京都法華宗寺院
  (1)安土宗論
  (2)宗論後の法華宗
  (3)礼金の影響
 おわりに

第三章 中世末期堺における法華宗寺院─天正七・八年の「堺勧進」を中心に─
 はじめに
 一 「堺勧進」の具体相
  (1)「堺勧進」の経過
  (2)諸寺院の分担
 二 「堺勧進」と諸寺院
  (1)天正七年時点の諸寺院
  (2)月蔵寺の所在
  (3)諸寺院の集団・組織
  (4)京都の会合と「堺勧進」
 おわりに

第四章 東山 大仏千僧会と京都法華宗
 はじめに
 一 大仏千僧会の実像
  (1)大仏千僧会の会場と名目
  (2)新儀の八宗
  (3)八宗の同列化と法事の内容
  (4)大仏千僧会の歴史的意義
 二 京都法華宗の対応と日奥
  (1)本国寺での会合
  (2)会合の対応と危機感
  (3)大坂対論以後
 おわりに

第五章 近世移行期の権力と教団・寺院─豊臣政権と京都法華宗を中心に─
 はじめに
 一 豊臣政権期以前─前史としての室町期から織田政権期─
  (1)室町期から戦国期
  (2)織田政権期
 二 豊臣政権期─近世の基調としての─
  (1)法華宗にとっての天正一三年
  (2)東山大仏千僧会をめぐって
 おわりに

第六章 豊国社の成立過程について─秀吉神格化をめぐって─
 はじめに
 一 大仏鎮守・大仏之社・新八幡社
  (1)秀吉の死と大仏鎮守
  (2)大仏之社と新八幡社
 二 豊国社の成立と大仏
  (1)新八幡から豊国大明神へ
  (2)豊国社と大仏
 おわりに─豊国と新八幡─

第七章 天下人の「死」とその儀礼─信長・秀吉・家康の比較の視点から─
 はじめに
 一 信長の「死」とその儀礼
  (1)信長の自然的身体
  (2)「上様御仏事」
二 秀吉の「死」とその儀礼
  (1)秀吉の自然的身体
  (2)「死」後の儀礼と遺言
 三 家康の「死」とその儀礼
  (1)家康の自然的身体と遺言
  (2)儀礼間の矛盾
 おわりに
 
終 宗教勢力の運動方向─中近世移行期における─
 はじめに
 一 寺院内社会の一構造─寺僧と本願を中心に─
  (1)清水寺と清凉寺
  (2)寺僧・本願・門跡
 二 寺院間社会の一構造─山門延暦寺を中心に─
  (1)山門延暦寺と惣寺
  (2)山門延暦寺と末寺
  (3)惣寺・末寺・門跡
  (4)寺院間社会の一構造
 三 宗教勢力の行方と近世的再編
  (1)寺院内社会・寺院間社会の解体
  (2)修造・学問・勤行
  (3)東山大仏千僧会
 おわりに

成稿・原題一覧
あとがき
索引(人名・事項)

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