日本図書館協会選定図書
関連書籍
エッキョウスルソウセキブンガク
越境する漱石文学
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体裁四六判・284頁
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刊行年月2011年06月
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ISBN978-4-7842-1565-2
内容
漱石の生涯にはたびたびの「越境」が認められる。それは青年期から壮年期にかけての松山・熊本・ロンドンでの漂泊に顕著であるが、それは「越境」の実践ではなかったのか?
熊本大学の研究プロジェクトによる漱石論集の第3弾となる本書では、第1部において、漱石と世界文学との関わりを考察。第2部において「越境」の実践としての「漱石と熊本」という視点から、漱石の熊本時代の評論、エッセイ、交友関係を考察する。
目次
I〈世界〉からみた「漱石」
<地方>と<世界>の間で─漱石の「グローカリズム」と「明治の精神」─(柴田勝二・東京外国語大学総合国際学研究院教授)
異文化の対話─豊子愷「縁」と夏目漱石「ケーベル先生」─(西槇偉・熊本大学文学部准教授)
<知>の覇権へのまなざし─漱石『虞美人草』と張文環『芸妲の家』を中心に─(蕭幸君・台湾東海大学日本語文学系准教授)
精神病者をどう描くか─チェーホフ、中村古峡と漱石─(佐々木英昭・龍谷大学国際文化学部教授)
[研究コラム]フランスのラジオで語られた漱石(濱田明・熊本大学文学部准教授)
Ⅱ〈世界〉をまなざす「漱石」
漱石作品と思想─熊本との関連から─(福澤清・熊本大学文学部教授)
漱石『文學論』の布石─熊本時代に書いた三つの評論─(西川盛雄・熊本大学名誉教授)
第五高等学校時代の夏目漱石─論説「人生」を読む─(坂元昌樹・熊本大学文学部准教授)
[研究コラム]漱石の初期俳句(岩岡中正・熊本大学法学部教授)
[研究コラム]横井時敬と熊本(相馬登・首都圏秋田歴史と文化の会代表)
あとがき(坂元昌樹)
執筆者一覧
紹介媒体
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「熊本日日新聞」
2011年10月9日
飛ヶ谷美穂子(日本比較文学会理事)
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『日本比較文学会』第55巻
2013年3月31日
飛ヶ谷美穂子
書評