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平安貴族社会の秩序と昇進
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体裁A5判・572頁
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刊行年月2012年05月
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ISBN978-4-7842-1602-4
著者・編者略歴
さこ・あいみ…立命館大学大学院文学研究科博士課程後期課程修了、博士(文学)。現在、立命館大学文学部准教授。
内容
律令国家体制が維持されていた平安初期から、平安末・鎌倉初期までを射程として、貴族社会の構成と編成原理を解明する大著。
その素材として、人事・昇進制度、特に叙位制度に注目。平安時代の叙位制度はこれまで個別制度の解明に主眼が置かれ、叙位制度の変化に連動するはずの律令官司制の変質、中世国家機構の形成過程との有機的な関連はほとんど追究されてこなかった。
本書では、平安から鎌倉初期にかけての各制度の総体的な把握を試みることにより、律令官人制から平安貴族社会、中世公家社会の成立過程を明らかにし、日本の古代から中世への移行の特質を探る。
目次
序 章
研究史と研究視角/本書の課題と構成
Ⅰ 叙位制度と貴族社会
第一章 年労制の変遷
公卿昇進コース上の加階労/諸大夫の昇進と労―外記・史を中心に―/侍層の昇進と労
第二章 年爵制度と貴族社会
中世成立期における叙位制度の展開と年爵制度の位置づけ/年爵制度をめぐる諸問題/叙位制度の中世的展開と叙位関係文書
補論1「故人未給」にみる年給制度の本質
摂関期の故人未給/「叙料支払い事例」と故人未給/「叙料支払い事例」と給主の窮状/院政期以降の故人未給
第三章 「官方行事」における勧賞の特質―神社行幸を素材として―
神社行幸の運営組織/天仁二年の神社行幸と巡(めぐり)/中世的勧賞の一考察
第四章 非「官方行事」における勧賞の特質―朝覲行幸を素材として―
朝覲行幸の成立と展開/摂関期の朝覲行啓・行幸と勧賞/院政期の朝覲行幸
補論2 中世公家社会における叙位の一考察―尻付「臨時」を素材として―
「臨時」の初見/超越への対応としての「臨時」/鎌倉期の叙位と「臨時」
第五章 平安貴族社会における叙位制度の展開と特質
律令制下の叙位制度/平安前・中期における叙位制度の展開/中世公家社会の成立と叙位制度の展開
Ⅱ 平安貴族社会の秩序と行動
第六章 平安末~鎌倉中期における花山院家の周辺―『名語記』作者経尊の出自をめぐって―
経尊の出自/平安末~鎌倉前期における花山院家/経尊の周辺
第七章 摂関・院政期における受領成功と貴族社会
受領成功採用の背景/院政期における受領成功の特質/摂関・院政期の大規模造営における受領成功とその意義
第八章 摂関・院政期における天皇・上皇の移徙
院政期京都の都市構造/移徙の儀式/天皇の移徙/上皇の移徙/移徙関連の勧賞と院御所造営の背景
終 章
初出一覧
あとがき
索引(事項・史料名・人名・研究者名)
紹介媒体
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『古代文化』第65号
2013年6月30日
樋口健太郎(関西学院大学・大手前大学非常勤講師)
書評