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著者・編者略歴

ふじい じょうじ…1947年、福井県生まれ。1975年、京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学、京都大学文学部助手。1977年、神戸大学文学部助教授。1983年、京都大学人文科学研究所助教授。1994年、京都大学文学部助教授、その後、同教授、大学院文学研究科教授。2012年、京都大学を退職。
〔主要著書〕『江戸幕府老中制形成過程の研究』(校倉書房,1990年)『幕藩領主の権力構造』(岩波書店,2002年)『徳川将軍家領知宛行制の研究』(思文閣出版,2008年)『織豊期主要人物居所集成』(編著,思文閣出版,2011年)

内容

本書は、日本近世政治史研究の泰斗である著者が、研究をはじめたころからごく近年にいたる間に書いた小論のうち、あまり目にとまらないところに収められたもの、入手の困難なものの中で著者の主要な研究の前提、あるいはその後の展開にかかわる論考を集めた。2012年3月の京都大学退職にあたり、約40年におよぶ研究の軌跡を振り返る。

目次

I 戦国の若狭 

若狭国一国徳政の一史料/戦国時代の加地子得分/大阪青山短期大学所蔵「梶又左衛門宛織田氏宿老連署状」をめぐって

Ⅱ 秀吉の時代 

耳塚と秀吉―侵略戦争の象徴として/天正二年五月二十日付羽柴秀吉書状をめぐって/根来衆の軍事力について―岩室坊を中心に/暮松新九郎書状をめぐって/十六世紀末における日本人の地理認識の転換/慶長三年の越前国太閤検地関係史料

Ⅲ 家康・秀忠・家光 

住友家所蔵の田中清六関係文書/「源家康」の印章/慶長十一年のキリシタン禁制の一史料/慶長期武家官位に関する四つの「寄書」/黒田長政筑前拝領の経緯/徳川秀忠/八月二日付徳川秀忠仮名消息をめぐって/徳川家光の花押/立花文書のなかの家光発給文書/江戸幕府前期の「御用」について/“郷帳”覚書/日本近世社会における官僚と軍隊

Ⅳ 京都と所司代・町奉行 

幕府法令の伝達と都市/徳川政権成立期の京都所司代/板倉勝重と重宗/京都町奉行の成立過程/十七世紀京都の武士

V 大名と領知 

若狭国三方郡人口史料の紹介と考察―「宗門御改書出」/「おり米」と寛永十九年の騒動/近世大名支藩の成立とその支配/地味札考/遺領分知における大名意志―酒井忠直の場合/近世前期の大名と侍講/利常・光高の居所をめぐって
/大名の江戸城登城と家光の病/大老酒井忠勝と将軍徳川家光

Ⅵ 安定期社会を考える 

京都の町触にあらわれる子供と老人―捨子触・迷子触・尋人触を素材に/一下級武士の日常―尾張藩士朝日文左衛門を素材に/非日常からみた日常の武家社会―「年中行事」と「忌」―/歴史のなかの揺らぎと戻り―江戸幕府の側用人をとおして―


あとがき
索引
著書・論文等一覧

紹介媒体

  • 「読売新聞」朝刊

    2012年6月20日

    文化面 記事の内容はこちらから 読売新聞社の許可を得てスキャン画像を公開しています

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