ござ・ゆういち…1980年東京都生。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学。博士(文学)。日本学術振興会特別研究員を経て、現在、東京大学大学院人文社会系研究科研究員。論文に「白河結城文書の一揆契状」(村井章介編『中世東国武家文書の研究』高志書院、2008年)など、著書に『一揆の原理-日本中世の一揆から現代のSNSまで-」(洋泉社、2012年)、『戦争の日本中世史-「下剋上」は本当にあったのか-』(新潮社、2014年)。
関連書籍
ニホンチュウセイノリョウシュイッキ
日本中世の領主一揆
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体裁A5判上製・380頁
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刊行年月2014年03月
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ISBN978-4-7842-1721-2
著者・編者略歴
内容
南北朝内乱以降、中世は本格的に「一揆の時代」を迎え、あらゆる階層、あらゆる地域において一揆が結ばれた。そして多種多様な一揆の中でも、最初に時代を牽引したのは年貢公事の徴収者にして地域社会の治安維持者であった在地領主による一揆、つまり〈領主の一揆〉であった。したがって国人一揆をはじめとする〈領主の一揆〉は南北朝期以降の地域社会を規定する中心的な要素といえ、これまで多くの研究が積み重ねられてきた。本書はその蓄積の上に、〈領主の一揆〉の構造・機能・結合論理を解明し、新しい国人一揆論を提示しようと志す。(本書序章より)
目次
序 章 中世一揆研究の新視角
本書の目的と意義/国人一揆研究の展開/国人一揆研究の課題と本書の視角
第1部〈領主の一揆〉の構造と機能
第1章 伊勢北方一揆の構造と機能
十ヶ所人数と北方一揆/一色氏泊浦発向関係史料の再検討―軍勢催促と出兵―/醍醐寺の撤兵要請とその返答の伝達経路/十ヶ所人数と北方一揆の関係/北方一揆と上部権力の関係
第2章 隅田一族一揆の構造と展開
隅田一族一揆の成立/隅田一族一揆の構造/隅田一族一揆の展開
第3章 松浦一揆研究と社会集団論
一揆成立と契状制定の画期性/松浦一揆の重層性と強制力/松浦一揆の「多分之儀」と「理非」
第2部 〈領主の一揆〉と一揆契状
第4章 奉納型一揆契状と交換型一揆契状
一揆契状の二つの様式/充所のない一揆契状/充所のある一揆契状
第5章 親子契約・兄弟契約・一揆契約
親子契約/兄弟契約/一揆契約
第6章 契約状と一揆契状
「一味同心」契約/「一味同心」契約状/領主層の一揆契状
第3部 戦国大名・惣国一揆への展開
第7章 領主の一揆と被官・下人・百姓
南北朝期の一揆契状における「下人」「百姓」条項/室町期の領主間協約における「被官」条項/戦国期の「衆中」と「家中」/戦国期の領主間協約における「下人」「百姓」条項
第8章 乙訓郡「惣国」の構造
乙訓郡「惣国」をめぐる研究史/乙訓郡「惣国」結成の経緯/乙訓郡「惣国」結成の主体と論理/「惣国」と「惣国一揆」
終 章 南北朝~室町期の戦争と在地領主
蒙古襲来と在地領主結合/南北朝の「公方の戦争」と在地領主の「家」/「危機管理システム」としての〈領主の一揆〉/「室町の平和」と「非常時対応」の解除
初出一覧
あとがき
索引(人名・地名・事項/研究者名)
紹介媒体
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『ヒストリア』249号
2015年4月
高木純一
書評
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『史学雑誌』125編4号
2016年4月20日
海津一朗
書評