売茶翁の生涯
定価
3,850 円(税込)
本体 3,500円
在庫状況: 品切

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2016年10月、2刷出来

著者・編者略歴

Norman Waddell…1940年アメリカ生.1963年カリフォルニア大学バークレー校文学部卒業.文学博士.The Eastern Buddhist編集,大谷大学勤務を経て現在,同大学名誉教授.
〔主な著書〕
Japanese Spirituality(鈴木大拙『日本的霊性』英訳),Unborn Zen(盤珪禅師の伝記と仮名法語),The Heart of Dogen’s Shobogenzo(道元 『正法眼蔵』),The Old Tea Seller, Life and Zen Poetry in 18th Century Kyoto(売茶翁の伝記と『売茶翁偈語』などの英訳),Wild Ivy(白隠の自伝『壁生草』),『白隠年譜』『夜船閑話』など白隠の著作8冊の英訳,Poison Blossoms from a Thicket of Thorn(白隠の語録「荊叢毒蘂」の全訳)など.
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ひぐち・しょうしん…1951年北海道生.1989年大谷大学大学院文学研究科博士課程満期退学(真宗学専攻).現在,佛教大学非常勤講師.

内容

本書は、僧臭を脱却して、しかも俗臭に堕ちない禅僧で煎茶の祖とあおがれる売茶翁(1675~1763)の生涯をまとめた初の伝記(英語版)を年代順に整理し、書きあらためた日本語訳版。
京の東山、東福寺や三十三間堂、聖護院などの景勝地に自在に茶店をもうけ、茶代を飲む者にゆだね茶禅一味の宗風を開き、最後はみずから茶道具を焼却したという売茶翁の生きざまや思想は、伊藤若冲や池大雅ら当代文化人を魅了し、時を超え人びとの魂をゆさぶってやまない。

■担当編集者より■
売茶翁と交友のあった人物といえば、想起されるのは伊藤若冲。その若冲画をはじめ、たくさんの翁の肖像画が世に知られていますが、当人はたいそうな肖像画が描かれたり、賛を入れるのを固辞しているエピソードや、翁を気遣う女性たちとの心あたたまる交流など、書簡を通してみえる人間売茶翁の姿が、これまで知られてきた翁像とはひと味ちがって、新鮮です。

目次

プロローグ
売茶翁との出会い/売茶翁の伝記資料/売茶翁の生涯の時期区分

第一章 肥前時代
誕生/肥前の風土と環境/黄檗僧として得度/化霖道龍と独湛性瑩/高山寺に惹かれる/仙台での修行/律学を学ぶ/師に随行/大潮元皓/龍津寺に居す/自誡的な人柄

第二章 京都へ
売茶翁が注目される理由/京の都/消息不詳の十数年間/藩主の弟への手紙/各宗の指導者たちとの交流/幻幻庵/萬福寺の内情に通じる

第三章 東山で茶を売る
通仙亭/『対客言志』/京の文人たちが見た売茶翁/江戸時代の茶の種類/売茶翁の茶の背景にあるもの/日本人が生産した煎茶/越渓茶/京の文人たちとの交流/売茶翁の茶の精神/売茶翁の漢詩/景勝地での茶の商い

第四章 肥前に戻る
草川玄道への手紙/大潮元皓と売茶翁/大坂屋敷詰め

第五章 在家居士として
居士号「高遊外」/帰京/湯屋谷の永谷宗円/双ヶ丘時代/相国寺林光院での十年間/大典顕常/宇野明霞/売茶翁の茶道具/彭城百川/『自賛三首』/糺の森を逍遥して/売茶翁の侍者たち/唯一の著作/臨川寺/新長谷寺/東岩倉/高芙蓉

第六章 最後の十年
聖護院村で交流した友人たち/黄檗僧、独湛性瑩への想い/およしへの手紙/茶道具の焼却/百拙元養/質素に生きる/池大雅/伊藤若冲/翁を案じる女性たち

第七章 最晩年
無住と大用/観性尼/安田是誰/古道浄寛/老齢を超越した境地/最期までの数か月/『売茶翁偈語』

エピローグ 地方の有力な支持者たち
新たに知られた交流/松波治部之進と津田治部之進/石川永庵と伊藤若冲

付録 廬同の『茶歌』

参考文献/図版所蔵一覧/売茶翁年譜・京都地図/著者・訳者あとがき/索引(人名・地名)

紹介媒体

  • 「茶華道ニュース」

    2016年8月1日

    紹介

  • 「佐賀新聞」

    2016年8月21日

    川本喜美子

    ろんだん佐賀

  • 「日本経済新聞」

    2016年9月4日

    短評(読書欄)

  • 『月刊京都』783号

    2016年10月

    BOOKS

  • 『なごみ』10月号

    2016年10月

    新刊案内

  • 「週刊仏教タイムス」

    2016年10月20日

    紹介

  • 「京都民報」

    2016年10月30日

    大槻幹郎

    書評

  • 『古書通信』81巻11号

    2016年11月15日

    受贈書目

  • 『ひととき』5月号

    2017年4月20日

    記事(「特集 売茶翁」)

  • 『ガスエネルギー新聞』

    2023年3月6日

    紹介

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