著者・編者略歴

くまくら・いさお・・・1943年東京生.
1971年東京教育大学文学部博士課程修了単位取得退学.京都大学人文科学研究所助手(77年より講師).
1978年博士(文学)の学位を取得.筑波大学助教授(89年より教授).
1992年国立民族学博物館教授.第一研究部長・民族文化研究部長を歴任.
2004年国立民族学博物館名誉教授.林原美術館館長(~12年).
2010年静岡文化芸術大学学長(~16年).農林水産省食料・農業・農村政策審議会会長(~12年).
2012年日本食文化のユネスコ無形文化遺産化推進協議会会長のち一般社団法人和食文化国民会議会長(現在まで).
2013年茶の湯文化学会会長(現在まで).
2016年MIHO MUSEUM館長(現在まで).静岡文化芸術大学名誉教授.

内容

伝統とは、美とは、日本とは―
文化史の諸領域にわたり茶の湯を軸として、鋭敏な感覚で鮮やかに本質を明らかにし、分野を軽々と飛び越えて新たなパースペクティブを示し続けてきた著者が、自選によってまとめる七つの小宇宙

戦国の争乱をこえ平和の時がきた。
寛永時代を謳歌する新しい文化誕生。
後水尾院はじめとする禁中ならびに公家社会、
武士や町衆、僧侶さらに牢人まで一つに溶けあって、
“きれい”で“美しい”寛永文化の花を開かせた。

目次

Ⅰ寛永文化の研究
 序にかえて―寛永文化をめぐる三つの仮説―

第一部 寛永文化の前提
 第一章 戦国的なるものと近世的なるもの
 第二章 徳川幕府の朝廷政策と公家家業

第二部 寛永文化の性格と基盤
 第一章 寛永文化と知識人層
 第二章 公家衆の生活と文化―元和七年公家日記を通してみた―
 第三章 桂離宮―その作者と時代―
 第四章 大名茶の成立
 第五章 近世初頭における大名茶の性格―小堀遠州と加賀前田家―
 第六章 茶書『草人木』の成立

第三部 寛永文化の変容
 第一章 『板倉政要』と板倉京都所司代
 第二章 三千家と宗旦四天王
 終章にかえて―『洛陽名所集』の著者とその父―
 あとがき


Ⅱ 寛永文化そしてその後
寛永文化人としての松花堂昭乗
後水尾院と修学院離宮
日本遊芸史序考―数寄者本阿弥光悦を中心に―
知識人の教養


Ⅲ〈史料翻刻〉『板倉政要』巻六~巻十 裁判説話の部
 はじめに
 凡  例
 本  文


解説―松澤克行
索引(人名・事項)

紹介媒体

  • 『遠州』614号

    2017年7月

    紹介

関連書籍

  • このエントリーをはてなブックマークに追加