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近世寺社参詣の研究【オンデマンド版】

原淳一郎 著

  • 体裁
    A5判並製・416頁
  • 刊行年月
    2016年07月
  • ISBN
    978-4-7842-7013-2

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著者・編者略歴

(はら・じゅんいちろう)…1974年神奈川県秦野市生まれ.2003年慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程終了,文学博士.2004年より2007年まで日本学術振興会特別研究員PD(東京大学史料編纂所),現在慶應義塾大学・宇都宮大学・獨協医科大学兼任講師.(2007年9月時点)

内容

人はなぜお参りするのか──古くは貴人たちの熊野詣から寺社参詣は日本人の信仰心をあらわす一つの姿であった。本書は「寺社参詣」という行動様式そのものを研究対象の根本にすえて、江戸時代に隆盛を迎えたさまざまな寺社参詣の広がりを思想的・文化史的立場から位置付けた一書である。(初版2007年)

目次

序章
 戦後宗教史の流れと近世寺社参詣史
 寺社参詣史の定義
 問題意識と研究視角
 本論文の構成

第1章 近世寺社参詣における御師の役割
 宗教の社会的機能
 江戸における檀廻
 御師側の檀家認識
 御師の檀家保有形態
 檀家側の御師認識
 都市型参詣における御師の役割

第2章 参詣と巡礼
 参詣の目的別分類
 参詣時期
 参詣経路
 坂東巡礼者の参詣経路

第3章 相模大山への参詣意識と書物に描かれた世界
 相模大山の信仰習俗
 江戸の大山参詣者像と大山講
 現世利益の変容──開運守護と祖霊信仰──
 相模大山への畏怖と魅惑
 文芸作品に描かれる参詣者像
 山岳信仰における自己解放の論理

第4章 寺社参詣の大衆化──名所の複合化の成立──
 文芸作品にみえる主要参詣路と精進落とし
 十七世紀後半の大山と江ノ島
 柏尾通り一件と江ノ島遊覧
 四ツ谷茶屋をめぐる争論
 大山参詣者の参詣行動の歴史的変遷

第5章 文人層の参詣世界の大衆化
──江ノ島における「遊人」と庶民の結節点──
 江ノ島への距離認識と女性の参詣
 名所認識と参詣者の関心
 行楽地的特性の歴史的変遷
 庶民参詣層による文人層世界の享受

第6章 鎌倉の再発見と歴史認識・懐古主義
 近世の歴史意識と鎌倉
 都市知識人の参詣意識と行動
 村落内上位層における参詣行動
 名所の形成と参詣者の対応
 寺社参詣と歴史意識
 
第7章 成田山新勝寺の経営と宣伝活動
 成田山の宣伝基盤の確立と経営状況
 成田山の宣伝活動
 成田山新勝寺と成田村
 神仏分離の質的差違の内在的要因

第8章 淡島信仰にみる都市の医療と信仰
 江戸における庶民信仰と現世利益
 北沢淡島明神社の流行
 夢想の灸点と「流行神」現象
 北沢淡島信仰の拡大と参詣圏
 江戸における淡島信仰と針供養
 寺社の参詣者の相互規定性
──非行動文化・非流行神要素の抽出──

第9章 伝承成立の歴史的考察と御師
 「片参り」忌避伝承
 セット化成立の背景と参詣者意識
 社会・経済的影響と富士・大山参詣の動向
 「片参り」伝承の成立と宗教者の介在

終論
 行動文化論の再検討
 近世寺社参詣の位置

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