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関連書籍
ジュウハチセイキニホンノブンカジョウキョウトコクサイカンキョウ
一八世紀日本の文化状況と国際環境
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体裁A5判・582頁
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刊行年月2011年08月
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ISBN978-4-7842-1580-5
内容
18世紀の西欧社会は近代市民社会形成の胎動期にあり、東アジアでも豊穣の時代であった。日本の18世紀社会も、経済活動の飛躍的な発展、公共性理念の進化のもと、儒学・博物学・蘭学・文学・芸術など、さまざまな局面において独自性にみちた文化的発展をみせ、近代化に多大な影響を与えた。
日本の18世紀の文化的状況はいかに形成され、それらは東アジア世界、また西洋世界までふくめたグローバルな環境下で、いかに影響を受けつつ独自の展開を示したか。多角的にアプローチした国際日本文化研究センターでの共同研究の成果23篇。
目次
[序論]
一八世紀日本の「知」的革命 Intellectual Revolution(笠谷和比古:国際日本文化研究センター教授)
【Ⅰ思潮】
江戸中期における擬古主義の流行に関する臆見(宮崎修多:成城大学文芸学部教授)
太宰春臺における古文の「體」「法」重視―古文辞「習熟」論に鑑みて―(竹村英二:国士舘大学21世紀アジア学部教授)
一八世紀日本の新思潮―国学と蘭学の成立―(前田勉:愛知教育大学教育学部教授)
蘭方医が受容した一八世紀の西洋医療―治療法の根拠と理論展開―(フレデリック・クレインス:国際日本文化研究センター准教授)
昌益とシェリング―その自然と医の思想―(松山壽一:大阪学院大学経営学部教授)
享保期における改暦の試みと西洋天文学の導入(和田光俊:科学技術振興機構職員)
漢訳西洋暦算書と『天学雑録』―楕円軌道論と物体落下法則の受容をめぐって―(小林龍彦:前橋工科大学教授)
【Ⅱ経済と社会】
一八世紀新興問屋商人の広域的活動とネットワーク―津軽領・足羽次郎三郎の活躍―(長谷川成一:弘前大学人文学部教授)
東北日本における家の歴史人口学的分析―一八・一九世紀の人口変動に着目して―(平井晶子:神戸大学大学院人文学研究科准教授)
江戸書物問屋の仲間株について―出版界の秩序化―(藤實久美子:ノートルダム清心女子大学文学部准教授)
江戸時代の日本人は日本をどう発見したか(ヘルベルト・プルチョウ:元・城西国際大学人文学部教授)
【Ⅲ文化の諸相】
熊沢蕃山の楽思想と一八世紀への影響(武内恵美子:秋田大学教育文化学部准教授)
一八世紀のいけ花―「たて花」「立花」「抛入」の相関を通して―(小林善帆:京都女子大学他非常勤講師)
大嘗会再興と庶民の意識(森田登代子:桃山学院大学非常勤講師)
一八世紀における武術文化の再編成―社会的背景とその影響―(魚住孝至:国際武道大学体育学部教授)
享保期の異国船対策と長州藩における大砲技術の継承―江戸中期の大砲技術の展開―(郡司健:大阪学院大学企業情報学部教授)
【Ⅳ国際交流】
歌舞伎と琉球・中国(武井協三:国文学研究資料館教授)
琉球の中国貿易と輸入品―海を越えた唐紙―(真栄平房昭:神戸女学院大学大学院文学研究科教授)
一八世紀朝鮮国の儒学界とそれがみた日本の儒学(平木實:国際日本文化研究センター共同研究員)
ソウルに伝えられた江戸文人の詩文―東アジア学芸共和国への助走―(高橋博巳:金城学院大学文学部教授)
一八世紀~一九世紀初頭における露・英の接近と近世日本の変容(岩下哲典:明海大学ホスピタリティ・ツーリズム学部教授)
引き継がれた外交儀礼―朝鮮通信使から米国総領事へ―(佐野真由子:国際日本文化研究センター准教授)
共同研究会開催一覧
執筆者紹介
紹介媒体
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「読売新聞」夕刊
2011年9月22日
鈴木隆弘
6面
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『洋学史研究』29号
2012年4月
塚越俊志
書評
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「朝日新聞」
2014年5月24日
記事