緒方郁蔵伝
定価
2,750 円(税込)
本体 2,500円
在庫状況: 在庫あり

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著者・編者略歴

こにし・よしまろ…除痘館記念室専門委員(緒方洪庵記念財団内)・橋本まちかど博物館長

内容

緒方郁蔵(文化11[1814]~明治4[1871])は、備中国簗瀬村(現岡山県井原市)で生まれ、江戸に遊学ののち適塾に入門、多くの医書を翻訳した。緒方洪庵の義兄弟となり、医師として開業する傍ら、独笑軒塾を開いた。除痘館で種痘の普及に尽力し、土佐藩開成館の医局教頭や大阪医学校で翻訳や教育に従事した。
平成26年(2014)は、生誕200周年にあたる。
本書は、緒方郁蔵の生い立ちから58歳で没するまでの生涯を、遺された著書や資料を丹念に読み解くことでたどり、真摯に生きた幕末の蘭学者・緒方郁蔵の実像を明らかにする。

目次

はじめに

第1章 生い立ち―誕生から適塾入門まで
 第1節 生い立ち―家族の動向と山鳴大年の漢学塾
 第2節 江戸における漢学塾・昌谷精渓塾と蘭学塾・坪井信道塾
 第3節 郷里における蘭学修行―「ヅーフ・ハルマ字書」の筆写
 第4節 緒方郁蔵の適塾時代
 第5節 養子問題と洪庵との義兄弟―緒方姓を名乗る

第2章 独笑軒塾の開塾とその展開
 第1節 独笑軒塾はいつできたか―年代・塾則・場所
 第2節 どんな人が入門したか―「門生姓名」五十音順検索
 第3節 除痘館事業に加わる
 第4節 緒方郁蔵の医学研究―著書や写本からみて
 第5節 医は仁術―緒方郁蔵の書軸などからみた医学思想
 第6節 独笑軒塾時代の出来事からみた緒方郁蔵の人となり

第3章 土佐藩の医学・洋学研究と緒方郁蔵
 第1節 大坂における土佐藩の仕事―安政の辞令
 第2節 土佐本藩勤務時代―慶応二~四年(明治元年)

第4章 大阪医学校時代
 第1節 明治天皇の行幸と病院建設
 第2節 大阪仮病院(第一~二次)の開設
 第3節 大阪府病院と大阪府医学校病院の開設
 第4節 大名の診察
 第5節 緒方郁蔵没後の緒方家―子どもたちと道平の家族
 第6節 緒方郁蔵をめぐる人たち

第5章 資料
(1)「研堂緒方郁蔵先生伝」     
(2)研堂緒方先生碑        
(3)研堂緒方先墓喝銘(大戸家所蔵一枚刷り碑文)      
(4)独笑軒記          
(5)独笑軒塾姓名録「門生姓名」  
(6)独笑軒塾則
(7)緒方郁蔵関係書状
(8)緒方少博士(郁蔵)回章
(9)『開校説』
(10)早春の旅 緒方研堂の郷村梁(𥱋)瀬他(嘉治隆一)
(11)父祖の地をたずねて(緒方四十郎)

緒方郁蔵年譜

参考文献
あとがき
挿図一覧

紹介媒体

  • 「読売新聞」夕刊

    2015年3月30日

    記事

  • 『日本医史学雑誌』61巻2号

    2015年6月20日

    渡部幹夫

    書籍紹介

  • 「除痘館記念資料室だより」9・10合併号

    2017年6月10日

    紹介(8頁 参考文献)

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