やまぎし・つねお…1948年新潟県糸魚川市生。1971年新潟大学人文学部経済学科卒業。松下電器貿易入社、ニューヨーク事務所長、アジア地域金融統括会社 パナソニック・ファイナンス・アジア社(シンガポール)社長、本社外国為替センター所長など歴任。2005年松下電器産業(現パナソニック)退社。同年宝塚造形芸術大学大学院入学、2010年博士号(芸術学)取得。
関連書籍
セザンヌトテッサイ
セザンヌと鉄斎
同質の感動とその由縁
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体裁A5判上製・358頁
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刊行年月2015年05月
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ISBN978-4-7842-1796-0
著者・編者略歴
内容
フランスの画家ポール・セザンヌと富岡鉄斎。両者の絵の同質性については、以前より指摘があったが、その理由については、明かされていない。本書は、この同質性が何に由来するものなのか、また何を意味するものなのかを、両画家の生い立ちや教育、思想、哲学、人生観、芸術観等から明かす。
目次
序 倉澤行洋
第一章 本書の目的
一 ブルーノ・タウトの言及
二 タウト以外の評論
三 印象批判から論証へ
絵の類似点/感動の内容/事実に基づく考察
第二章 研究の方法と基礎資料
一 直接的な影響関係の有無
二 『セザンヌの手紙』精読
三 鉄斎画賛の研究
四 作品の熟覧と模写
第三章 セザンヌの自然観
一 長く豊かな自然との接触
二 セザンヌの手紙
自然に対する感覚の芽生え/ゾラとの決別とセザンヌの自覚/自然の研究と感覚の実現/ベルナールへの伝承の試みとその失敗
三 セザンヌの東洋的な自然観
東洋と西洋の自然観/セザンヌの自然観/自然観の形成
四 セザンヌ絵画理論の新たな解釈
円筒・球・円錐理論/オレンジとりんご理論/全調子、半調子、四半調子/アール・ローランの解釈/影は中高
第四章 鉄斎の実像
一 万里の路
二 画賛に表れる鉄斎の本音
山を見る楽しみ/読書の楽しみ/思想/中国画論/画作と行/未敢顧時流/売画と生活
三 儒者を標榜する神官鉄斎
儒者であり神官であるということ/儒者鉄斎/神官鉄斎/日本文明/内外の神道理解/本居宣長の神/巨人たる所以
四 アイヌ風俗画の意味
第五章 同質の感動とその由縁
一 二人の画家に共通するもの
人物対比/異なる二人の人物像/残った共通項目
二 タンペランマンと気韻生動について
一七世紀からセザンヌの時代にかけてのtemperamentの用法/セザンヌのタンペラマン/中国画論における気韻論の展開/董其昌の気韻論を証明した鉄斎/作品に見る「タンペラマン」と「気韻」の動き/セザンヌと鉄斎が共通にする地盤
三 絵画の同質性
同質の感動の由縁/カウンターパート鉄斎の必然性/同質性の絵画への現れ
四 タウトの感性
参考文献一覧
セザンヌの手紙索引
鉄斎の画賛索引
あとがき
紹介媒体
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「書道ジャーナル」No.535
2015年7月1日
紹介
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『月刊美術』No.481
2015年9月19日
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